お彼岸の記憶
数年前亡くなった祖母はとてもマメな人で、お彼岸の時期はたくさんのおはぎを作り、親戚や仲のいい友人達に配っていました。
最後は病気になり入院がちで、もう食べられなくなるとは思ってなかったあの頃。
祖母の家に残されたままのもち米と、賞味期限の切れた小豆を実家に持ち帰り、おはぎを作りました。
レシピは姉の記憶と母の記憶(と言ってもだいぶ部分的なのですが)を頼りに、ネット上にあるレシピを参考にして。
母はと言うと、料理が苦手で、祖母の味も全く受け継がなかったので、私と姉で記憶を辿るおはぎ作りでした。
あんこは甘さ控えめで、塩気が少し効いた、お店では絶対に食べられないような味でした。
あずきが古かったためか、どれだけ煮ても芯が残ってしまったけれど……息子もバクバク食べてくれました。
私が息子にあの味を受け継いでいきたい。また必ず作ろうと思いました。